世界観や用語などは、全章共通です。
[ 世界 ]
妖怪などの登場する、和風異世界を舞台として物語が展開されます。
存在する種族は人間、妖怪、神。
天狗を神聖視する、天狗信仰の世界です。
ただし、神というものの定義は曖昧で、認められさえすれば、誰でもなることができます。
(詳しくは用語にて)
文明はあまり発達しておらず、妖怪達は妖術、神通力などを用います。
また、人間の中には呪術を用いる者がいます。
様々なモノにソレを司る神、守る神が存在するといわれている世界ですが、
この物語では、特に山の守り神(天狗)達が中心となっていきます。
[ 用語 ]
- 天狗信仰
一つの山に一人の守護天狗がいると考えられており、
天狗を災害から人々を守り、また恵みを与えてくれる神としてあがめている。
一つの山に必ず神々を祭る祠がある。(社の場合も)
- 守護神
一つのモノに一人の守護神がいると考えられている。
この物語では主に、山の守り神を指す。
山の守護神は、本来天狗であることが多く、それゆえ天狗信仰が広がった。
現役の守護神を堕としたり、守護神が弱っているときなどに山に認められれば、
天狗以外の種族でも守護神になることができる。
山の守護神となると、山の名の一部をとった名前を受け継ぎ、同時に神として山と繋がる。
山から気を与えられるため、外傷を負っても治りが早い。
しかし、逆に守護神の力が衰えたり、いなくなったりすると山が荒れる。
また、神として、他人の願い(思念)を聞き、叶える力を持つ。
ただし、その願いの大きさにより、自分の寿命を消費する。
願いをかなえれば叶えるほど命が縮むため、
事実上、信仰の薄い者ほど長く生き、厚いものほど早死にし、代替わりを繰り返す。
また、自分の願いは死をもって叶えることができる。(命全てを代償とする)
- 守護天狗
代々山の守護神となり、山を守り続ける天狗の一族。
皆寿命が長く、特殊な成長の仕方をする。
□守護天狗の歳のとり方□
0〜500歳で人間でいう0〜20歳、501〜1500歳で人間でいう21〜30歳、1501〜2000歳で人間でいう31〜90歳。
1500歳までは若く、残り500歳で急激に老いる。
守護神として山を守り、多くの人々の願いを叶えるためにこういった歳のとり方になったといわれている 。
- 贄役
守護神の命及び、短期間での代替わりを防ぐために存在する犠牲。
人の願いを叶える際、守護神が代償として削る寿命を、守護神の変わりに捧げる。
贄役は守護神自らが支払うよりも多く命を削らなければならない。
早くに死ぬ運命を背負うことになるが、守護神を信頼し、自ら願い出て贄役になるものが多い。
人々の信仰の厚い者ほど、多くの贄役を抱えている。
- 千里眼
人、妖怪、神、種族に関わらず、稀に現れる先天性の能力。(但し、人<妖怪<神という発現率)
現在起こっていることを、遠くはなれたところでも見聞きすることができる。
ただし、密室などで行われていることなどは見聞きできない。
稀に少し先の未来も見ることがある。(未来のことは望む通りにみることはできない)
- 夢見
人、妖怪、神、種族に関わらず、稀に表れる先天性の能力。(但し、人<妖怪<神という発現率)
千里眼に比べ、発現率が極めて低い。
夢の中で現在起こっていることはもちろん、過去を見聞きすることができる。
稀に自分以外の人物の記憶を共有することがあり、夢の中であるにもかかわらず、
痛みや感情などを生身と同じ感覚で感じる。そのため、目覚めた際、錯乱してしまう者が多い。
(この場合、自ら望んでみることはできない)
更に、力の強い者は未来のことも、一定の確率で望むとおりに見ることができる。
但し、力の強い者であればあるほど、夢に呼ばれることも多い。
夢に呼ばれると強制的に眠りに落ち、未来や過去などを知らされる。
また、他人との記憶及び感覚共有の回数も増え、目覚めた際の自己認識が曖昧になってしまったり
感覚共有中の痛みや感情の動き等が原因で、眠っているにも関わらず、不眠症に近い症状が出るなど、
心身ともに患うものが多い。
- 擬神
呪術によってつくられた人工の神、または神に匹敵する力を得たモノ。
現在の神を堕とし、なりかわるために作られる場合が多い。
生まれた時から術者に飼われている者が殆どであるため、通常、術者の命令には忠実に従う。
また、どんなに力の強いモノでも、『主の証』を持つ術者を傷つけることはできない。